東町布袋車について
かつては名古屋の玉屋町から若宮祭で曳き出されていましたが、明治24年(1891年)に有松東町に譲られ、今日まで大切に曳き続けられています。
■4体のからくり人形■
からくり人形は、奥に鎮座する「布袋人形」、中央部分に蓮台に乗った「文字書き唐子」と「蓮台を廻す唐子」、前方に陣笠をかぶった「麾振り童子」の4体が糸からくりでお囃子の音色に合わせて華麗な動きをして、お祭りを盛り上げています。
また、4体のからくり人形は、名古屋のからくり人形師「二代目玉屋庄兵衛」によるものです。
■大幕■
大幕は文化9年(1812年)に作られ、正面は「鳳凰」・右に「麒麟」・左に「応龍と霊亀」が金糸の刺繍で施されており、それらの下絵は山本梅逸による下絵で大変貴重な大幕です。
大幕の後面には見送り幕があり尾張藩右筆の丹羽盤桓子の書による詩文が施されています。
※東町布袋車のこれら金糸で刺繍された大幕は経年劣化による傷みが激しく、文化財保護の為、2018年10月7日開催の有松天満社秋季大祭をもって見納めとなり、2019年より大幕復元新調事業を進めさせていただくはこびとなりました(大幕復元新調事業についてはコチラ)。
また、布袋車の大幕のみ、夜用の幕があり、祭礼当日の夕方、提灯の取り付けとともに、大幕の付け替えが行われます。
■衣裳■
山車の担ぎ手である「楫方」やお囃子やからくり人形を担当する「山車方」の衣裳には地元の伝統工芸「有松絞り」が使われています。
町の名前はもちろん、楫方の衣裳には布袋様の「軍配」の柄、山車方の衣裳には「東」の字をもじった蝶の柄、布袋車にちなんだ七宝柄が施されています。
■建造・大きさについて■
建造年:延宝3年(1675年)以前
高さ:5.9m / 縦:6.4m(楫棒含む) / 横:3.1m